コレステロールには「HDL」と「LDL」があります。といってもHDLとLDLはコレステロールを運んだり回収したりする役目を持つものでコレステロールそのものではありません。そもそもコレステロール自体は脂質ですからそのままでは血液に溶け込むことができません。当然、血液中を行き来することができません。そのため「リポたんぱく」という粒子に包まれることによって血液中を行き来しているのです。その「リポたんぱく」がHDLとLDLです。HDLとLDLは、言ってみればコレステロールを運ぶトラックのようなものです。そしてHDLに乗せられて移動するコレステロールが「HDLコレステロール」と呼ばれ、LDLに乗せられて移動するコレステロールが「LDLコレステロール」と呼ばれています。つまり、HDLとHDLコレステロール、LDLとLDLコレステロールは、それぞれ違うものということになります。
それではHDLコレステロールは、どのような役割を果たしているのでしょうか。HDLコレステロールの主な役割は、全身を巡る血液中の余ったコレステロールを回収することです。回収されたコレステロールは肝臓に運ばれます。余分なものを回収してくれるということで、HDLコレステロールは「善玉コレステロール」とも呼ばれています。では、具体的に人体にどのような影響を与えるのでしょうか。そもそもコレステロール値が高くなると動脈硬化などの病気になりやすいと言われていますよね。動脈硬化はコレステロールという脂質が動脈の血管にたまって血管を硬化させることから起きるものです。しかしHDLコレステロールが血管にたまる余分なコレステロールを回収してくれることによって血管にたまるコレステロールが少なくなり、その結果動脈硬化が起こりにくくなるというわけです。HDLコレステロールはかなり重要や役割を担っているということになります。
HDLコレステロールの基準値は40〜70mg/dlとされています。HDLコレステロール基準値より低い場合は血液中の余分なものを回収する力が落ちているということですので、コレステロールがたまって動脈硬化になりやすくなります。そのほか高血圧や糖尿病、心筋梗塞などにもなりやすいと言われていますので注意が必要です。逆にHDLコレステロール基準値より高い場合は余分なものを回収する力がアップしているということになります。基本的にHDLコレステロールが高いぶんにはあまり問題がないとされていますが、過剰に高いのは良くないとされています。
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